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図鑑アプリ バイオームの備忘録

【本】日本のいきもの図鑑

前園泰徳さんという農学博士の方の著書。

ご本人の紹介文が「ヒト科 1.8m 見られる季節:通年 見られる場所:南西諸島」となっていたり、経歴の表現にもなかなかのツンデレみがあります。

日本のいきもの図鑑 (郊外編)
 

掲載されている生き物のデータは、写真、分類と大きさ、観察出来る季節や時間帯などがざっくり記されていて、項目は森・山、海辺、水田・畑、などと言った具合に、環境別に分けられている。

使い方としては予習的にこういった場所にはこんな生き物がいるのだなと想定する知識を蓄えるような本だと思う。

実際に出会えたときにそれが何か分かる、見当が付けられるというのは色々と楽しいし、強い。

読み物としても面白いのは紹介の本文で、生き物のデータ以外に実際に著者がその生き物に接した個人的な感想や疑問、その生き物の在り方、あるいはヒトとの関わり方に関して著書が抱く感情など、あまり図鑑では見かけない飾らない言葉が溢れている。

例えばp159ハヤブサの項目では「僕には一度、たった3mの距離で10分間も見つめ合ってしまったという信じられないような接近遭遇経験がある。」なんて記述があって、自慢じゃないか!という塩梅である。

しかしこの型破りな紹介文は何とも言えず生き物への愛を感じられて、自分もこの生き物と出会いたい!と思わされる。

こちらは郊外編と都会編があって、個人的には都会編の方が使用頻度は高そうだった。

大方が「都会にしかいない生き物」ではなく「都会にもいる、ましてや郊外には言うまでもなくいる生き物」という感じなので、郊外であっても頻繁に見かける種がたくさん載っている。

日本のいきもの図鑑 (都会編)